こんにちは!
ハルマキ(@_____harumaki)です。
今回は「賭ケグルイ双」にでてきたスリーヒットダイスについての考察記事です。
賭ケグルイ双のストーリーではサラッとしか解説されていませんでした。
という方もいたかもしれませんね。
本記事では数式を交えつつ「なぜUUDを選んだ方が有利なのか?」について、しっかりと考察していきます!
- ルール
- 疑問点
- 考え方
- 計算方法
- ちょうど3回目に的中する確率
- ちょうど4回目に的中する確率
- ちょうど5回目に的中する確率
- ちょうど●回目に的中する確率を計算していくと
1. スリーヒットダイスとは?
ルール
ディーラーが降ったダイスの出目を当てるギャンブル。
ダイスの出目は、1,2,3をDown(D)4,5,6をUP(U)として扱います。
UまたはDの3つの組み合わせを予想し、その予想した出目の組み合わせが先に出た方の勝ちです。
疑問点
Uが出る確率もDが出る確率も、等しく1/2。
それを3つ組み合わせたものは、すべて 1/2 × 1/2 × 1/2 = 1/8 なので、どの組み合わせを選んでも有利不利はないと思われます。
しかし作中では、「先に発生する」という観点からは UUU のような3連続のものよりも UUD のような 2個+1個のパターンの方が有利だと説明されています。
2. 期待値とは?
考え方
UUDのようなパターンの方が、発生するまでのサイコロを振る回数の期待値が少ないと作中で説明されています。
期待値とはこの場合、感覚的な説明としては「だいたい●回サイコロを振ればUUDが発生する」という指標のこと。
イメージとしては平均値と同じです。
計算方法
このゲームにおける期待値計算の方法は以下の通り。
3 × (ちょうど3回目に達成する確率) +
4
× (ちょうど4回目に達成する確率) +
5 × (ちょうど5回目に達成する確率)
+
... (無限に足し続ける)
以上を踏まえて、実際の期待値計算がどういうものになるかを考えてみましょう。
3. スリーヒットダイスにおける期待値計算
実際の期待値計算を行ってみましたが、思ったより複雑になったので、その結果はこちらの記事にて詳しく解説します。
この記事ではなるべく感覚的な範囲で UUU より UUD の方が期待値が低くなるということを説明しようと思います。
ちょうど3回目に的中する確率
サイコロを3回投げて、予想した3パターンを的中させる確率は(つまりストレートで的中させられる確率は)
1回目の出目が的中 ⇒ 1/2
2回目の出目が的中 ⇒ 1/2
3回目の出目が的中 ⇒
1/2
なので 1/2 × 1/2 × 1/2 = 1/8 となります。
これは UUU を選んでいても UUD を選んでいても、すべて等しく 1/8 です。
ちょうど4回目に的中する確率
さきほどと同様に考えて
2回目の出目が的中 ⇒ 1/2
3回目の出目が的中 ⇒ 1/2
4回目の出目が的中 ⇒
1/2
なので 1/2 × 1/2 × 1/2 = 1/8 …とはなりません。
なぜなら「ちょうど4回目」に的中させる必要があるので、3回目の段階で的中したケースを除外しなければならないからです。
ここで UUU を選んでいるか UUD を選んでいるかの違いが発生します。
UUUを選んでいる場合
4回の出目は
DUUU のようになっていなければなりません。
すなわち、1回目の出目は D
でなければならないのです。
なぜならば 1回目の出目が U だった場合、4回の出目は
UUUU となります。
つまり
3回目に的中してしまっているので「ちょうど4回目に的中する」確率からは除外しなければならないのです。
以上より、ちょうど4回目に UUU が的中する確率は
1/2 × 1/2 × 1/2 × 1/2 = 1/16 となります。
UUDを選んでいる場合
4回の出目は UUUD でも DUUD でも、ちょうど4回目に UUD が的中します。
そのため、ちょうど4回目に UUD が的中する確率は
2/2 × 1/2 × 1/2 × 1/2 = 1/8 となります。
この時点で、UUUよりもUUDを選んだ方が有利であることが見て取れますね。
UDDを選んでいる場合
4回目の出目は UUDD でも DUDD でも、ちょうど4回目に UDD が的中します。
なのでちょうど4回目に UDD が的中する確率は UUD と同様に 1/8 となります。
UDUを選んでいる場合
4回目の出目は UUDU でも DUDU でも、ちょうど4回目に UDD が的中します。
なのでちょうど4回目に UDU が的中する確率は UUD と同様に 1/8 となります。
ちょうど4回目に的中する確率のまとめ
UUU が的中する確率 ⇒ 1/16
UUD
が的中する確率 ⇒ 1/8 ( = 2/16)
UDD
が的中する確率 ⇒ 1/8 ( = 2/16)
UDU
が的中する確率 ⇒ 1/8 ( = 2/16)
となり、UUUのようなストレートパターンを選択すると、他のパターンより不利になることが見て取れますね。
なお DDD,
DDU,
DUU,
DUD
については、DとUを入れ替えて考えることで、それぞれ
UUU, UUD,
UDD,
UDU のパターンと確率は同様になります。
ちょうど5回目に的中する確率
ちょうど4回目の時と同様に考えます。
詳細説明は割愛気味にします。
UUUを選んでいる場合
5回の出目は
UDUUU
DDUUU
の2通りになります。
2回目に U が出てしまうと
なので確率は 2/2 × 1/2 × 1/2 × 1/2 × 1/2 = 1/16 となります。
UUDを選んでいる場合
5回の出目は
UUUUD
UDUUD
DUUUD
DDUUD
の4通りになります。
1回目と2回目の出目が何であっても、5回目にちょうど的中します。
なので確率は 2/2 × 2/2 × 1/2 × 1/2 × 1/2 = 1/8 となります。
UDDを選んでいる場合
5回の出目は
UUUDD
UDUDD
DUUDD
DDUDD
の4通りになります。
1回目と2回目の出目が何であっても、5回目にちょうど的中します。
なので確率は 2/2 × 2/2 × 1/2 × 1/2 × 1/2 = 1/8 となります。
UDUを選んでいる場合
5回の出目は
UUUDU
DUUDU
DDUDU
の3通りになります。
UDUDU
となるケースのみ、3回目に的中しているため、除外する必要があります。
なので確率は 3/4 × 1/2 × 1/2 × 1/2 = 3/32 となります。
ちょうど5回目に的中する確率のまとめ
UUU が的中する確率 ⇒ 1/16 ( =
2/32)
UUD が的中する確率 ⇒
1/8 ( = 4/32)
UDD が的中する確率 ⇒ 1/8 ( = 4/32)
UDU が的中する確率 ⇒ 3/32
となり、UUUのようなストレートパターン、UDUのような挟み込みパターン、UUDのような2個1個のパターン、の順で不利になることがわかりますね。
ちょうど●回目に的中する確率を計算していくと
同様に計算していき、ちょうど●回目に的中する確率をグラフにしてみました。
やはり UUD > UDU > UUU の順に、早く達成する確率が高いことが読み取れますね!4. まとめ
実際に確率を計算してみると、UUD の方が UUU よりも早く的中する確率が高いことがわかりました。
その定性的な理由としては
- UUU的中のためには、最後から4回目がUでない必要がある(条件が最も厳しい)
- UDU的中のためには、最後から4,5回目がUDでない必要がある(条件が少し厳しい)
- UUD的中のためには、最後から4,5回目は何でもいい(条件が緩い)
というものになります。
そのため、上から順に的中するのが遅くなることが考えられます。
より具体的な期待値や確率の計算については、こちらの記事にて解説しています。